56その1
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56その1
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⭐それはそうだ、死体を目の前にして、正気でいられるはずもない。平気な顔で、立っている遥くんの方が異様なのかも……
⭐彼が立っている所へと近づくと、それは、銀色のドアノブがついた、実験室によくある、倉庫の扉のようだった。ドアノブの下には、オートロックが取り付けられている。六つの空白の四角が、チカチカと点滅していた。すると、遥くんが何かを入力し始めた。
⭐「な、なにしてるんだい遥くん……」
⭐「それだと、とてつもなく時間がかかってしまうね……周りに、何かヒントのようなものはないかい?」
⭐「……もしかして、あの死体の山の中に……」
⭐「……中の物質を感じとっちゃうから、それは勘弁したいな……うわっ!?」
⭐どうしたものか、と扉に背をもたれさせると、身体がするりとすり抜ける。
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