二人セゾン
欅坂46/Covered by⚔️アメリア
二人セゾン
- 19
- 3
- 0
第3話⚔️編「わかりたくない答え」
※ストーリー閲覧の際のご注意※
嫌がらせ、流血表現が少しございます。苦手な方はご注意くださいませ。
「護るべきあの子がいないね、臆病なアメリアさん?」
アメリアは、哀れなものを見るような表情で言う魔物を睨みつけた。
不安と恐怖で震える手で、なんとか歪な双剣を構える。
双剣が手の震えの振動でカチャカチャと音を立てた。
オリビアの才能がなかなか開花せず、周囲が彼女を白い目で見始めた頃、アメリアは複雑な表情の両親にリビングに呼ばれた。
そして開口一番、
「お隣さん…特にオリビアちゃんとは、もう関わらないでちょうだい」
「俺たちもこういうことを言いたくはないんだが…、お前のためなんだ、わかってくれ」
「……」
アメリアはすぐに返事をすることができなかった。
もちろん、周囲のオリビアへの視線が冷たく なったのも、彼女への悪口が増えたのも知っている。
きっと彼女を庇ったりすると、アメリアも傷つくことになるのだろう。
なんとなくわかっているけれど…、彼女が傷付けられているのを見る側にはなれない、と強く思った。
「ごめん…大好きなオリビアが傷付けられているのを見ているだけなんて、そんな酷いことできない」
「アメリア…気持ちはわかるが…、お前が傷付けられてしまったら誰が悲しむと思う?」
「…!」
父親の言葉に、アメリアは息を呑んだ。
その日はとりあえずわかったと頷いたが、アメリアはオリビアを庇い続けた。
明らかに庇ったことで怪我をしていても、両親は黙っていてくれた。
でも、片足を骨折をしてしまった日は違った。
「アメリア!!!」
オリビアとの帰り道、片足だけで歩くアメリアは強く腕を引っ張られた。
母親の手だった。
「もう辞めなさい!!」
アメリアはオリビアと強制的に引き離され、治療のために数日間休まされた。
その間こんこんと説教をされ、泣きながら"もうオリビアには近づかない"と宣言させられた。
長い休みが明け、学校に登校すると、いつもと空気が違うことに気がついた。
疑問に思いながら教室に入ろうとすると、空き教室から声が聞こえてきた。
「よくやったわね、レイラ」
「あの子カンタンに私のこと信じちゃって。面白かったわ〜」
「今頃どうなってるかな?」
「もう魔物に喰われてるんじゃない?あの森の奥はこの街の外だし、いてもおかしくないわ」
嫌な予感がする。
アメリアは来た道を戻り、家まで走って双剣を装備した。
街の外に繋がる森をいくつか脳内でピックアップし、一番遠くて人が入らない森にいるのではと予想して、森の中に飛び込んだ。
しばらくすると魔物の声が聞こえてきて、アメリアは双剣を構えた。
声を出すと魔物に気づかれてしまう為、何とか目でオリビアを探す。
やがて森の奥までくると、そこには血まみれのオリビアと彼女を喰おうとする魔物がいた。
今の自分の強さでは、魔物の強さに及ばないことはわかっていたが、アメリアは構わず魔物に突っ込んだ。
「オリビア!!」
わざと声を出して注意をこちらに向け、双剣を叩き込む。
強さが足りず、倒すのに時間がかかってしまったが、なんとか倒すことに成功した。
両親に買ってもらった双剣は歪な形になってしまっていたが、そんなことを気にする前にオリビアの元へ駆け寄った。
「オリビアごめんなさい…あたしが早く気づけば…。オリビア、これからはあたしだけを信じて。絶対、護るから…」
オリビアはその言葉を聞いて、すぐに失神するように目を閉じた。
両親から、周囲から、この街から。
あたしはこの子を護りたい。
アメリアはそう強く決意した。
これをきっかけに、アメリアはオリビアを護るようになったのだった。
「あたしはあの子を護らなきゃいけないの!!どこに行ったか教えなさいよ!!」
「なによいきなり。怖いわねぇ。もういまは街の人間も彼女から興味を失くしているというのに、まだナイトごっこをしているの?」
「うるさい。いつ誰が彼女を傷つけるかわからないでしょう!だからあたしだけが側にいて、人から護ってるの!!」
アメリアはそう魔物に叫んでから、本当にこのままでいいのかな、と思っている自分に気がついた。
「うるさい、うるさい、うるさい!!!」
アメリアは双剣で魔物を斬り裂いた。
「そんなこと、わかんないよ…」
魔物が消え去った空間で、アメリアはひとり静かに泣いた。
to be continued…
。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。
「二人セゾン」
⚔️アメリア(cv.はいねこ)
道端咲いてる雑草にも
名前があるなんて忘れてた
気づかれず踏まれても
悲鳴を上げない存在
誰かと話すのが面倒で
目を伏せて聴こえない振りしてた
君は突然 僕のイアホン外した
What did you say now?
太陽が戻って来るまでに
大切な人ときっと出会える
見過ごしちゃもったいない 愛を拒否しないで
君はセゾン 君はセゾン 僕の前に現れて
君はセゾン 君はセゾン 日常を輝かせる
昨日と違った景色よ
生きるとは変わること
君はセゾン
HA-
。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。。.。・.。*゚+。
Comment
No Comments Yet.