🕊 𓈒 𓂂𓏸
【歌詞】
まぶしい朝に 苦笑いしてさ あなたが窓を開ける
舞い込んだ未来が 始まりを教えて
いま輝いているんだ
“あなたの夢”がいつからか “ふたりの夢”に変わっていた
今日だって いつか 大切な 瞬間(おもいで)
あおぞらも 泣き空も 晴れわたるように
“ありがとう”って伝えたくて あなたを見つめるけど
信じたこの道を 確かめていくように
今 ゆっくりと 歩いていこう
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
一緒に過ごす、2度目の冬がきた。
今年は例年よりも雪が多く、外に出るのが億劫な日々が続いていた。
…冬は苦手だ。
いや、夏も苦手だけれど。
暑いよりも寒い方が苦手だ。
それと、冬は陽が出るのが遅いので朝がつらい。
もともと低血圧気味で朝は苦手なのに、
冬になると起きるのがさらに辛くなる。
でも───…
「葵羽!朝だぞ!!!」
いい加減しびれを切らしてしまったのだろう、勢いよく寝室のカーテンが開かれ、眩しい朝日が顔に差す。
小さく呻いて顔を手で覆う俺に気づかず、彼は今日も窓を開け放つのだ。
冬特有の澄んだ空気が部屋の中に流れ込む。
冷たくて気持ちいい。でも、寒い。
「今日はチーズオムレツが食べたいんだぞ!」
そう言って俺の顔を覗き込む彼の笑顔は、今日も輝いているのだった。
「……キスしてくれたら、作ります」
付き合ってもう1年と5ヶ月。
だが、“キス“という単語に対してすぐ顔を赤くしてしまう相手は、やっぱり初心で愛おしい。
みるみる顔を赤くしてもぞもぞしつつ、覚悟を決めたのか顔を寄せてギュッと目を瞑ったまま唇が触れ合う。
すぐに離れようとする彼の首に腕を回し、離れないようにと引き寄せては口づけ直し。
「~~~~ッ!」
頭から湯気が上る彼を見ると、不思議と心が満たされる。
ずっとずっと、こんな日々が続いてほしい。
今日という日が色褪せた思い出になっても、
その先に鮮やかな未来が繋がるように。
一緒に居られることは、決して当たり前ではない。
想い合っていられることも、
互いに五体満足で過ごせていることも、
この街では奇跡みたいなものだ。
彼には感謝してもしきれない。
あの日、手を引いて連れ出してもらわなければ、
俺は変わらず自分自身の心の影を払えずにいたのだろう。
心の重荷を外して一緒に走り出してくれた人。
彼がいなければ、今の自分はいない。
だから、俺は彼の夢を叶えたい。
俺を青空の下へ連れ出してくれたから、
今度は俺が、貴方の夢を叶えてみせる。
「…ありがとう、王牙。愛してるよ」
2022.1.24 500日記念日
#ありがとう #いきものがかり
Comment
No Comments Yet.