はじまりのまえ、おしまいのあと④
未来古代楽団 feat. DAZBEE
はじまりのまえ、おしまいのあと④
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🟢PanakeiA💚チーム4
はじまりのまえ、おしまいのあと/未来古代楽団 feat. DAZBEE
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🍎・・・ミロ・オレンジ(CV.あろ)
💐・・・フルール・フォセット(CV.藤宮詩織)
🧚♀️・・・レーツェル(CV.詩月)
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💐むかし、あるところ
🍎なつかしいおはなし
🧚♀️おしまいのあとを
🍎🧚♀️💐だれもしりはしない
おやすみ。
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国に病が蔓延りました。
人々は皆病に倒れ、国王も、伏せてしまいました。
もちろん、少女も例に漏れず。
「隠してるのはわかってるんだ!」
「香を渡せ!」
「待って、なんのこと?」
「流行病に効く香だ! うちの家内が死んじまう!」
「そんなこと言ったらうちの子だって」
「お願い妖精さん! いくらでも払うから!」
「いつもみたいに私たちを助けて!」
「そんなの……持ってない……」
「持っていたらとっくにみんなに渡してます、信じて……」
「ふざけるな!」「嘘つくな!」
「自分だけ助かろうなんて、」
「今までの親切は全部嘘だったのか」
「「「裏切り者!!!」」」
視界を埋め尽くす絶望、憎悪、怨恨
それを取り除く策を、彼女は持っていなかった。
その目は、彼女を許さない。
その目は、大切なもののためになら何をも辞さない。
その目は、もう幸せな日常を映さない。
「あ、ああ、あぁあ、」
信じていた人間は、病ひとつでいとも簡単に牙を剥くのだ。
どうか、どうかいまだけ、彼らから目を背けることを、許してください。
「もういい、きみはよく頑張った。あとは任せて、今は少しおやすみ。」
ふわり、甘酸っぱい林檎の香りが鼻を掠めた気がした。
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「なんでこういう時に限ってお互いのそばにいないんだ、」
「すみま、せん」
「無駄に話すな、体力がなくなる」
「……妖精さんは、だい……じょうぶ、でしたか」
「疲れていたから少し眠っているよ、連れてきてやれなくて悪かった」
「………………いいえ、」
「そうじゃなくて、まずは自分のことを優先してくれ。早く、ボクと約束するんだ、孫の顔を見るくらい長生きする、と。もう手は打った、あとは願ってくれればきみを助けられる。」
「……。……やさしい精霊さん、ありがとうございます。……私と、約束して……くれますか?」
「わかったから、はやく、このままじゃ死んでしまう」
「――この病で死ぬのは、私だけにして、」
「……なんで、」
「人間は自分の事しか考えられないんじゃなかったのかよ」
🟩
「──人も、植物も、国をまるごと救いましょう。代わりにひとつ、わたしにくださいな。…………果てのない永遠の命を。」
本当は、きみにあげるはずだったけれど、違うことに使わせてもらうよ。神の怒りこそ買ったけれど、この使い方は、人を信じることが決して間違っていなかったとこの国の未来で証明してみせる。いつかきみたちが微睡みから覚めた時、美しい楽園が広がっていたらきっとまた笑ってくれるだろう。
「仕方ないから、楽園を作ってあげるよ。今度こそ、悲しみのない美しい永遠の楽園を。」
「愛すべきお人好したちに祝福を!」
#色の国公式 #色の国創作
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