【仮題】[前編]
☆:真宙 × ヒロ志 伴奏:ぴあ_piaforte
【仮題】[前編]
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☆:うっすらと瞼(マブタ)に浮かぶ光に似た何かで意識を戻した。
「……ッ!?」
だが、身に何が起きているとまでは把握出来ていなかった。
☆:妙な不安を感じ、近くに人がいるか声を張り上げた。自身がどういう環境にいるかも考えずに。
「誰かあ、いないのかっ!!……ぁ、何なんだよ、クソッ……」
☆:真っ暗だが、目が慣れていき、自分がどのような状態になっているのか、だいたい分かってきた。
天井は低く鼻の高さから数10㎝で木製の板が手のひらで触れられる。
幅は腕を足下に向かって伸ばし、靴底が床と思われる空間にあり、縦横が丁度で狭い…
ようやく自分が棺のような木箱に入っていることが分かった。
☆:意識し始めると息苦しくなっていく。
「ッ…ハァ、ハァ、なぁ!?苦しいッ……本当に誰かいないのかぁ?!おーいっ!!!」
喉が渇く……
「ゴクッ……ハァ、ハァ、ハァ…頼む!頼むよぉ!!」
☆:幾分経ってからか、自分の手元に何か触れた。ふわふわ…暖かい…小刻みに震える何か……
掴もうとするが、指の間からすり抜ける…
”生き物”だ。と気づくのに時間は要さなかった。
心当たりのある感覚に任せ、動きに合わせ、自分の口元へ持って行く。
『ガブッ…(※吸引)』
不安がその場から消えていく……
☆:気を引き締め、再び外に呼び掛け、
バンバンバンと目の前の板を両手がヒリヒリするほど叩いた。
「おーいっ!!何なんだよ!オレがこんなことになる見に覚えはないぞ!!
ふざけるな!善良に暮らしてただけだ!!
オレがいなくなったら皆が心配する!今ごろオレを探しに来てるはずさ!!
……そしたら、オマエラが同じ目にされるぞ!!」
何も応答がない……だが、何か解決へ導く、木が軋(キシ)む音や風が室内を通っていく魔物のような『オオオオ…』と唸る声がした。
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# 前編
Comment
2commnets
- 🐗真宙🐗💭🥊🕊️
- ヒロ志※休日…夜分遅くにすみません💦 今回も本当にありがとうございました…! しかも2話同着にっ…😭 お疲れ様でした……m(_ _)m(>_<) ネタバレ回避に何者かは告げられませんが…キャラの怪しさが出ていて素晴らしかったです!! ありがとうございました🙇