☘️𝟙𝕤𝕥 𝕟𝕠𝕥𝕖📚
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今日は自分史上、1番憂鬱な放課後だった。
いつも通り学級委員の雑務を終え、教室に戻る。
普段ならこれで私の仕事は終わり、誰も居なくなった教室で帰り支度をして、真っ直ぐ帰る。……のだけど。
「あっ、お疲れいいんちょ〜」
「……不真面目な割に、ちゃんと残ってたんだ」
間島 知咲、中学3年生。
今日から彼女___クラスメートの本郷 芹梨___の更生係に任命されました。
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中学3年生は、高校受験を控えた大切な年だ。
かく言う私も毎日真っ直ぐ家に帰り、週に4日は塾。残りの3日も家で勉強を続ける毎日だ。基本図書館などは使わない。1人の方が集中出来るのもあるけれど……
ちら、と通りすがりに図書室を覗く。
中では女子生徒のグループが2つ3つあり、それぞれ教え合いながら勉強をしている姿が見えた。
(「……一緒に勉強するような子、居ないし」)
人は大体、程よい距離感で私と接してくる。程よく互いを嫌わない距離。探り合わない距離で。
端的に言えば友達と呼べる親しい間柄の子は殆ど居ない。ただそれを特に嘆いたことも無い。クラスの中だけの関係で十分だった。
……それだけ私は面白味の無い人間だって事。
昨日までは、これが卒業までずっと続くと思ってた。
今日の1限が始まった時のこと。
「よーしじゃあ授業始めるぞー。……っておい、もしかして"また"本郷は居ねぇのか?」
担任が面倒臭そうに窓際の空席に目をつける。
その席は、先程のホームルームでは埋まっていた。しかし授業が始まる頃になると、いつの間にか空席になっていたり、周りになど構いもせずに寝ていたり……という、所謂"問題児"の席だった。
学年一の問題児・本郷 芹梨。
「またかぁ〜、本郷アイツ3年になってから俺の授業受けたことあったか?進級してから更にサボり癖酷くなりやがったな……」
と、トホホと嘆く担任。
前々からこういう子だという噂は聞いていたけれど、前の方がまだマシだったようだ。クラスが違ったので2年までの彼女のことは噂でしか知らない。
先生達も何かしらの対策は練っているようだけど、中々上手くいかないらしい。1度授業を自習にして本郷さんを探し回った事があるらしいけど、どこを探しても見つからなかったんだとか。
ポリポリと頭を掻きながら溜息をつく担任。……と、丁度真ん中あたりの席に座っている私の目が合った。
「そうだ、間島!!」
「……はい?」
突然叫んだ担任に皆が顔を上げる。
「そうだ、今年は間島がクラスに居るのか。それなら助かるな」
良くも悪くも、私は学年の中で優等生として通っている。間島が居ればクラスは安心……と先生達の共通認識なのだろう。
珍しく気持ち悪いくらいニコニコしながら、有無を言わさぬオーラで担任は私の席までやって来る。
「なぁ間島」
「…………はい」
嫌な予感しかしなかった。
そしてそれは見事に的中し、私は担任から『本郷 芹梨の補習監視役』……つまり更生係にされたのだった。
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今日がその初日だった。
午前中は失踪していた本郷さんだったけど、午後には戻って来ていた。授業は一切聞かずに寝ていたけれど。
「先生からいちおー聞いたんだけど、いいんちょと一緒に勉強会、ってことでオッケー?」
喋りながらも、本郷さんはつまらなさそうに自分の後れ毛を指にクルクルと巻き付けて遊んでいる。
「……大体それで合ってるけど。はいこれプリント」
ぶっきらぼうになりながら、先生から受け取っていたプリントを彼女に渡す。1ヶ月前の授業範囲の数学のプリントだ。
最低限やってしまえば後は黙って見ていればいいか、と思っていた。しかし
「いいんちょ、不貞腐れてますなぁ〜?」
……黙っていたらこう来るのか。
早く帰りたい。
「私のことはどうでもいいから、早く問題に取り掛かって。そんなに難しくないでしょ?」
言いながら、私も自分の勉強をしようと思い直り鞄からワークを取り出す。しかし本郷さんは中々私の勉強を進めさせる気は無さそうだ。事ある毎に私に話しかけてはちょっかいを出してくる。
とうとう私もしびれを切らした。
「あのさ、本郷さん、真面目にやってくれない?」
バン、と思い切り机を叩いて立ち上がってしまった。
私の座っていた椅子が倒れ、大きな音をたてる。
こっちは明らかに怒りを顕にしているのに、本郷さんはニマニマとした顔はそのまま、真っ直ぐ私を見ている。
すると、
「ねぇ、いいんちょはさ、何であたしがわざわざ珍しくセンセーの言うことなんて聞いて、今日居残りしてると思う?」
反省の色は微塵も無い。寧ろこの状況を予測していたかのような余裕。楽しんでいるようにすら見えてくる。
「……それが補習に関係ある?無いでしょ?早く問題に取り組んで」
「ノンノン、ナンセンスだなぁ〜。普通の居残りならいつも通り脱走してる……ってことくらい、いいんちょなら想像つくと思うんだけど」
それはそうだ。……しかし自分で堂々と言えるようなことではないだろう。突っ込みたかったが沈黙を貫いた。
私が黙っていると、彼女はこう言った。
「いいんちょだから、残ったんだよね」
ニヤッ……とまた口角を上げる。
……この子の考えが分からない。
言葉の意味が分からなかった。
補習初日。
こうして彼女との居残りの日々が始まった。
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𝑊𝑒𝑙𝑐𝑜𝑚𝑒 𝑡𝑜… Show!May Day
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📚ザッと数えて四十名 みんなが目を光らせる
どんな小さな罪も見逃さないように
ソッと息を潜めてジッと辺り見渡すの
☘️尻尾出したらもう最後
✨チクリアイ教室
☘️そうよ、絶対に本心は隠しきる。蹴落とすの。
✨わたしひとりだけ生き残るため!
✨さァ!さァ!密告だ!先生に言ってやろ!
📚ほらほらこんなに 悪いやつらが
✨ひ・ふ・み・よ
✨さァ!さァ!抹殺だ!悪い子退場だ!
☘️最後のひとりになるまで終わらないわ
✨チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!
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☘️本郷 芹梨 -Seri Hongo-
……cv.彗那
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📚間島 知咲 -Chisa Majima-
……cv.ぴーなっつ🥜
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