口琴コンチェルト　Another side【旅芸人一座の物語〜第12話】

c x エリス羽衣

リレー小説【旅芸人一座の物語】第12話です。 第10話、11話の続きです♪ 第10話「うっせえわ」 https://nana-music.com/sounds/0622b582 第11話「真夏の夜の夢」 https://nana-music.com/sounds/0622f7f9 未読の方は先にこちらをどうぞ😊 続きではありますが、後日譚的な感じで、 時間軸としては一座が王宮を去っていく途中の話です。 座長とミカが乗っている荷馬車の荷台では アコベールが眠っています笑笑 第9話「口琴コンチェルト」 https://nana-music.com/sounds/061ce7a8 ↑ こっちが荷台の中のアコベールから見た話です♪ ですので演奏は「口琴コンチェルト」再び、です♬ cさん😊素晴らしい演奏をありがとうございました❣️ 以下、過去作品の紹介からあらすじ紹介まで、 はこべさんのキャプションを転載します。 その後、物語になりますのでお楽しみください♪ ※文章の無断転載はなさらないで下さいね。 ※作中の登場人物は全て架空の存在です。 nana上のフレンドさんからお名前はお借りしている部分もありますが、性格その他全くの創作です。 ご了承ください。 ★ｰｰｰ✴︎ｰｰｰ★ｰｰｰ✴︎ｰｰｰ★ 【旅芸人一座の物語】 企画：エリス羽衣 書き手：エリス羽衣・清水はこべ（箱） ★まとめ読みプレイリスト ① https://nana-music.com/playlists/3601402 ② https://nana-music.com/playlists/3730970 ★時系列順まとめページ https://nana-music.com/sounds/061cd18e ★ｰｰｰ✴︎ｰｰｰ★ｰｰｰ✴︎ｰｰｰ★ 旅芸人一座の物語 第12話「口琴コンチェルトAnother side」 書き手：エリス羽衣 ボーカル：エリス羽衣 コーラス：清水はこべ（箱）エリス羽衣 ★これまでのあらすじ 王宮に招かれた旅芸人一座。 その実態は、王宮の秘密を探る諜報集団。 王宮の文官室に勤める文官室室長代理補佐は、 宴で踊っていた美女を褥に呼びたく 座長に申し入れるも断られる。 全ての部屋の鍵を持っている補佐は 勝手にフルート奏者ミカの部屋に入り込む。 しかし、部屋に飛び込んできた座長に締め上げられ、 王宮内で横領を働いていることまで 吐かされてしまうのだった。 ✴︎ｰｰｰ★ｰｰｰ✴︎ ガタガタと荷馬車が揺れる。 御者台に6人もぎゅう詰めで乗ってて 狭いったらありゃしないけど、一仕事終えた開放感から みんな賑やかだ。 「さあお前ら、たっぷり食って稼いだか？ 情報はオレんとこ持ってこいよ！ デカイの掴んだ奴にゃ褒美を出すぞ！」 座長の声に歓声が上がる。 普段は楽器を担当している男たちが歌い始める。 ♪腹を満たす糧にゃなにがある・・・ 「座長、あたしの褒美は何？」 「なんでお前に褒美が出んだよ」 「はあ？こないだ、文官室なんとか補佐の 横領を暴いたのあたしだよね！？」 あの騒ぎの翌々日、文官室室長以下何人も 更迭されたとの噂を聞いた。 もちろんあの補佐の姿も、あれ以来見ていない。 「オレが助けに来てやったのを忘れたのか。 笛の暗号解読もバッチリだったろ？」 そんなあ。 だったらやっぱり自分でボコればよかったかしら。 座長のことが気に食わないぽかったから、 わざと座長を呼んだんだけど。 「ミカ、なんであいつが 横領してるって分かったんだ？」 「ただじゃ教えない」 座長は苦笑して、隠しから銀貨を一枚取り出した。 ほらやっぱ、あたしの手柄って思ってるんじゃん。 「“金なら払う”って言ったでしょ。 “文官室に戻れば”・・・って、自分の懐が痛むって 態度じゃなかった。 多分、宴会用の予算を中抜きして文官室のどっかに 保管してあったんだよね。 室長もグルだって話だったし」 「酒のちょろまかしは？」 「銀貨もう一枚」 「アホか」 「ケチだねー座長。まあいいや、 じゃあたしの質問にも後で答えてよね。 この国は果実酒が名物でしょ？ だから宴会の席に果実酒が豊富なのは分るんだけど、 蒸留酒や麦酒も普通はあるものでしょ？ それが、圧倒的に少なかったんだよね、初日から。 で、おかしいなーってずっと思ってた。 だからカマかけてみた」 「酒飲みにはかなわねえな」 そういって笑う座長に、今度はあたしが質問する番だ。 「鍵どうやって開けたの？ あたし鍵のかかる音を確かに聞いたんだけど」 「んー」 「うおっと！痛てっ」 「押すなよ危ねーな」 ぎゅう詰めの御者台に座ってる座長が、 ぶらぶらさせてた足の片方の膝を抱え込むように 御者台の上に引き上げる。 と、隣に座ってるあたし、それから反対側に座ってる 男連中に肩やら肘やらぶつかって、 狭い御者台の上は大混乱だ。 「コレな」 周りの混乱を全く無視して、 座長は履き古した感満載の軍靴の内側から、 なにやら細長い棒のようなものを取り出した。 「？」 「こいつでたいていの鍵は開けられる。 ガキの頃から情報屋やってっからなオレは。 長年の修練の賜物ってやつだな」 分らない、という顔をするあたしの目の前で その棒を振りながら、座長はちょっと得意げに そう言ったのだった。 ★ｰｰｰ✴︎ｰｰｰ★ｰｰｰ✴︎ｰｰｰ★ 10、11、12話とお付き合いいただき ありがとうございました！🙇‍♀️ 補佐の失脚笑笑 ミカ姐さんは、もちろん秒で 補佐をボコることもできたはず。 でも後々、「誘ったくせに」とかいうトラブルに 発展するのもイヤだったし(アイツなら絶対言う笑笑) 座長のことを嫌ってる補佐をわざと座長に 捕まえさせるという腹黒い計算をして、 笛で座長を呼んだのですー。 ミカ姐さん強いんで、 書いててとっても気持ち良かったです♪ ✴︎ｰｰｰ★ｰｰｰ✴︎ 「口琴コンチェルトAnother side」 【旅芸人一座の物語〜第12話】 ★音楽 ｃ・エリス羽衣「口琴コンチェルト」 作詞：エリス羽衣 作曲：ｃ・エリス羽衣 ギター：ｃ https://nana-music.com/users/4393753 歌唱「口琴コンチェルト」エリス羽衣 コーラス・笑い声・口笛　清水はこべ（箱）エリス羽衣 ★読み物 「旅芸人一座の物語」 企画：エリス羽衣 https://nana-music.com/sounds/05fd857f 書き手：エリス羽衣・清水はこべ（箱） （第12話書き手：エリス羽衣) #旅芸人一座の物語 #cオリジナル #エリスさんに感謝の箱 #cさんに感謝の箱 #箱のおしばい #旅芸人一座の物語　#エリス作詞か作曲