【朗読台本】楽しみなこと
台本:壬音 声:拙者
【朗読台本】楽しみなこと
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みおとさんの台本読んできました、老人のふりして読んできました
なんとも悟りを開いてらっしゃるので僕には演じきれませんでしたが楽しかったです、あざした!
「何でもないことなんだけどね。」
湯呑みに入った珈琲(コーヒー)を
ゆっくりとすすりながら老人は言った。
「死ねば何年、何十年と生きてきた
その人の時は止まる。
その人だけが止まったまま、
時間は淡々と流れていくんだ。」
また少し珈琲をすすって老人は続ける。
「例えば僕は早くに
妻を亡くしているんだけれど、
彼女の時間は止まっていて、
僕の中の彼女は
今でも若く美しいままだ。」
老人は窓を見やって呟いた。
「記憶だけを道連れに
周囲は先へと進んでいく。
立ち止まった人々は
その背中を笑って見送る。
僕もその一人になる時が楽しみでね。」
「僕らは知らないことの方が
ずっと多いまま死んでいく。
少しでも新しいことを知るのは
とても幸福なことだ。
だから生への執着が
無い訳ではないんだけどね。」
僅(わず)かに残った珈琲を
眺めながら老人は穏やかに、
そして笑いながらこう言った。
「僕は死ぬのが楽しみなんだ。」
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Comment
4commnets
- 今日くん~猫大好き~
- 壬音あえて地の文を読まずにすする音に変えるの斬新でおぉっ!と思いました・:*+.\(( °ω° ))/.:+ 老人感も上手く出せていると個人的には思います、こう、渋いけど暖かい感じのおじいちゃんみたいなw 読んで下さって有難う御座いました♪
- 今日くん~猫大好き~
- 近ド•マーブル♧リハビリ中いや、これ良いですよ♪ 単に老人感というだけでなく、人生の酸いも甘いも噛み分けた、悟りにも似た味わいが出てると思いました♫