クレア・ロゼッタ【前編1】
台本 由季
クレア・ロゼッタ【前編1】
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🥀クレア・ロゼッタ キャラストーリ【前編1】🥀
クレア・ロゼッタ役
〔https://nana-music.com/users/8527560〕
ここは、ある路地裏。片腕から夥しいほどの血を流す男と、赤い血が滴るナイフを手に、男を追い詰める女がいる。
男「ま、待ってくれ!」
?「…貴方が悪いのよ?貴方は失敗した。オリヴァーの完璧な計画を。…言うことが違うんじゃない?」
男「…わ、悪かった、許してくれ、次は必ず…!」
?「聞き飽きたわ。ねぇ、何回目だと思う?2回、…2回よ。貴方は2回も失敗したの。これがどういう意味か、分からない訳じゃないでしょう?」
男「…嫌だ、死にたくない、…誰か、誰か!助けてく、」
助けてくれ、その言葉を最後まで言わせることなく、女は男の命を絶った。
?「…あ〜あ。もう壊れちゃった」
彼女はクレア・ロゼッタ。今でこそ恐ろしいまでに純粋な狂気を持つ彼女だが、昔の彼女は、か弱く、生気のない目をしていた。今回はそんな彼女が生きる希望をもってしまったお話。
クレア「…寒い」
しとしと降る雨の音を聞きながら、まだ幼いクレアが部屋の隅に蹲っている。少女以外に部屋には誰も居ない。床には空のビール瓶がいくつも転がっており、ひびの入った窓は開け放たれ、僅かに入ってきた雨粒が床を濡らしていく。
クレア「…お腹空いた」
やがて、少女はその場から立ち上がり、フラフラとした足取りで部屋を出て行く。
クレア「…まだ大丈夫。日暮れまでには帰らないと」
音を立てないように、家の外に出ることに成功したクレア。しばらく当てもなく歩き回っていると、漂ってきた食べ物の匂いにクレアはその匂いのする方へ足を進める。
クレア「…いい匂い」
匂いのもとへ歩いて行くと、そこには身なりのいい男性が立っていた。
?「大丈夫かい?傘も差さないで…」
男性がゆっくりと近づいてくる。
クレア「…っ!」
身構えるクレアに、男性は立ち止まり、少女に傘を差してやりながら、ゆっくりと膝を着く
?「…怖がらせてしまったね。よかったらこれ食べるかい?」
そう言って、男性は持っていたバゲットを少女に差し出す
クレア「……」
?「大丈夫だよ。お食べ?」
クレア「……」
クレアは男性の差し出すバゲットを恐る恐る受け取る
クレア「…ありがとう」
小さな声でお礼を言うと、バゲットを口に運ぶ。
クレア「…っ!」
初めて触れる人の温かさに、クレアは思わず涙をポロポロと流す
?「…もしかして、不味かったかな」
クレア「…っ!違うの…美味しくて、…とても」
そのままクレアはバゲットを勢いよく食べ始める
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