ブリッジ①
--
ブリッジ①
- 3
- 0
- 0
栄「咲、間もなく恭太郎もお勤めを終え帰宅する頃でしょう。夕餉の支度を」
咲の声「はい」
栄「それにしても遅いですね、恭太郎、どこで何をしているのやら?」
咲「心配いりませんわ、母上。兄上が師と仰ぐ勝先生にも『あいつは少し遊びってやつを覚えた方がいいぜ』なんて言われている始末ですから(笑)」
栄「勝様に締りがないのです」
咲「母上…」
麟太郎「おう、勝だ!」
咲「噂をすれば(笑)」
麟太郎「邪魔するぜ!」
栄「恭太郎!」
咲「兄上!」
栄「忠兵衛まで!」
麟太郎「刺客におそわれたみてぇだ」
栄「恭太郎、なんて姿に…」
仁「恭太郎さんはまだ死んじゃいません。すぐに手当を!」
栄「あなた様は?」
仁「私は南方仁、外科の医者です」
咲「外科?蘭方のお医者様ですね、兄は助かるのでしょうか?」
仁「結命!?」
咲「…?」
仁の心の声「まさか」
仁「(我に返り)てはつくします。まずは湯をたくさん沸かしてください!」
栄「咲、かまどに火を!」
咲「はい、母上」
仁「それに私に清潔な着物を貸してください」
栄「あちらです」
仁「はい」
Comment
No Comments Yet.