【一人語】燃える空の下、生きる【戦争体験より】

【語り】様【台本】浅漬とまと【BGM】V様

一人語り、子どもの頃に聞いた戦争体験談より。 ※一部フィクションの体験談です。 滑り込み間に合いませんでしたが、終戦記念日だったということで。 戦争がない日常を過ごせていることを改めて感謝します。 素敵な演奏、BGMにお借りしました。ありがとうございました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 話が変わるほどの改変や悪意ある改変はお控えいただけると幸いです🙇‍♂️ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー その夜 真っ赤に燃える空の下、 まだ幼い弟をおぶさって、裸足で走り続けた。 逃げ込んだ墓地はひっそりとしていて、 私たちの他には誰もいない。 唸るようなサイレンが鳴り響いていなければ、 赤い空を覆いつくすように低く飛ぶ敵機がなければ 悪い夢を見ているだけと思えたかもしれない 弟と二人、墓石の影で息を潜める。 空から、私たちの姿は見えてしまうだろうか。 「夕焼けこやけ？」 ふと、呟く弟。 頭巾ごしに頭を撫でて、そうね、と呟く。 気丈にしているつもりが、声が震えていた。 体一つで逃げ出すことしかできなかった。 直したばかりのもんぺも、 また学べる日を待っていた教科書も、 疎開していった友人から譲り受けた本も、 ……死別して久しい母の写真も。 明日の朝にはすべてが灰となっているのだろう。 けれども。 弟の背中をそっと撫でる。 「大丈夫。ねえねが守るから。」 私は生きている。 この子も、生きている。 このあたたかい手を握り締めて、明日も生きていくのだろう。 灰の中を、ともに生きていくのだろう。 _______________________________ 幼いころにたくされた、祖母の記憶を忘れないように。風化されないように。 #浅漬台本　#声劇　#一人語　#台本 #終戦記念日　#戦争体験談　#祖母の記憶　#語り部 #ピアノ