【台本】メッセージアプリ
台本 もえか 読み手 (鈴夜) 伴奏 haruki様
【台本】メッセージアプリ
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これといった理由もなく、
ただ何となく
何となくという僅かな理由で、
いつも使っている
メッセージアプリを起動する。
ずらりと並ぶ名前の数々に、
ポツン と存在する名前。
もう返事が返ってくることもなければ、
連絡が来ることもないその名前。
始めて会った時は、
ちょっと毒舌だけど天然で
グイグイ来られるのが苦手だった自分も
段々とその明るさに引っ張られて、
一緒にいると、
いつも笑わせてもらった。
いつ会っても、何があっても
明るい 強い人だと思った。
だけど、
ふとした瞬間に顔を覗かせる儚さや、
どこか寂しそうなその言動に、
かける言葉を見つけられなかった。
そして、
ちゃんとお礼も言えないまま、
もう言葉を交わせなくなった。
その人がもういなくなっても、
アプリにアドレスが残り続ける事が、
虚しいような、懐かしいような。
スマホが普及して
アプリはとても便利だけど、
本当に伝えるべき言葉は、やっぱり
ちゃんと声にしなきゃ、伝わらない
そんなことを考えながら
アドレスを消すことなく
そっとアプリを閉じた。
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Comment
2commnets
- レイヤ(鈴夜)
- もえか@出現率不定期読んでいただきありがとうございました! 抑揚がはっきりしていて聞き取りやすかったです( ´꒳` )