朗読【緩やかな自殺】読み手 サマ
わらべうた
朗読【緩やかな自殺】読み手 サマ
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#かごめかごめ #童謡 #朗読台本 #朗読 #暗い
素敵な伴奏をおかりしました。
https://nana-music.com/sounds/0403f786
文字を書いてみました。
文の内容は人ににより胸糞です。
反出生主義風味なので、苦手な方はまわれ右してください。
↓
とある夏の、澄んだ空気のよく晴れた朝に
あるいはしんしんと、静まり返る
冬の夜のとばりの中で
私、或いは僕、あなた、は生まれた。
しかし、なぜ生まれたのかは解らない。
おぎゃあと鳴き声をあげるのは、生きるためか。
細胞を枯らし、肉体を蝕むもの、
それと知らずに胸一杯に取り込む。
生きるために。
羊水に守られていたみずみずしい無垢な肉体(からだ)はゆっくりと、下り坂を転がり始める。
彼、あるいは彼女がいちばん最初に流す涙は
何億の可能性のなかで、ただひとり生を受けた勝者の喜びなのだろうか
それとも、何億の中、自分だけがたったひとり、この世に取り残されてしまった、それが意味することはこれから背負う大いなる悲しみであり、苦しみであることを恐れおののき、己のみじめさ、不憫さを理解しているのだろうか。そして昼夜も問わずに狂ったように泣きわめくのだ。
それは、これから行われる残酷な仕打ちへの足掻きなのだろうか。
誰に頼まれたわけでもなく、そこには平等すらなく、ただ外へと放り出された幼い肉体は、
じわり、じわりと真綿で首を絞めるよう
右も左も知れぬうちに、ゆっくりと、それでいて確実に蝕まれてゆく。
生まれるということは、死ぬということだ。
人生とは緩やかな自殺であることに相違ない。
産み落とすとこは殺人と同等の行為である。
故に我々は皆、一様に
人類の営みという悪魔の
被害者なのである。
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