雨の神様 【和風】【朗読】【台本】【雨企画】
マ リ
雨の神様 【和風】【朗読】【台本】【雨企画】
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久しぶり!?の台本読み!!!✨
~~台詞~~
蝉(せみ)と雨が混じりあい "蝉時雨"(せみしぐれ)が、
真夏の明るい夕暮れに、降りしきる。
彼は、元気だろうか。
いつも通る、真夏の田舎道(いなかみち)。
雨が降ると人気(ひとけ)が絶(た)える、小さな神社。
彼は決まって、雨が降った日は
拝殿(はいでん)の前に座って空を眺(なが)めていた。
私が通り過がると、必ずニコッと笑ってくれる。
ここは山に囲まれた小さな村。
私は彼が誰なのかは知らない。
話したことも無い。
けれど、初めて彼の姿を見た時でさえ、
どこか懐(なつ)かしさを感じた。
明日、私はこの村から引っ越す。
彼の笑顔を横目に通り過ぎると、声がした。
『いつでも戻っておいで』
振り返って境内(けいだい)を見てみると、彼の姿はなかった。
あの日から、私が村に戻ることはなかった。
雨の神様は、元気でいるだろうか。
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《概要》
物語の主観点は、中学3年生〜高校2年生(ざっと)くらいの少女。
少女がいるのは、小さい頃から生まれ育った山の奥深くにある小さな集落。
その森にたたずむ小さな神社で、雨が降ると必ず雨宿りをしている青年がいた。
人口も少ない村で彼の素性を知らない少女。
だが、通る度に優しくほほ笑みかける彼の笑顔に、どこか覚えのある安心感を感じていた。
そんなある日、少女の両親の仕事で村から都市へと引越しが決まる。
村で過ごす最後の夏の日は、夕暮れにチラつく天気雨。
西日に照らされた拝殿の軒下で、今日も彼は座って笑っていた。
声がして振り向くと、境内に彼の姿は無く
雨は止んで、ひぐらしの鳴き声と、西日に照らされた木々のざわめきだけが残っていた。
少女が大人になるまでに、村へ戻ることは一度もなかったが
最後の日に聞いた低く包み込むような優しい青年の声と笑顔を、1度も忘れることは無かった。
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