【一人声劇】煙草シリーズ:茜と夕。
読み手: 様
【一人声劇】煙草シリーズ:茜と夕。
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-茜と夕-
47作目の台本です。
拙い文章ですが心を込めて書いております。
台本そのものが変わるような
アレンジはおやめください。
あなた様のお時間少しだけいただけませんか?
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――
道端の吸い殻に今の俺を重ねた。
吐き捨てた感情を取りに帰る人はいない。
置き去りのまま、時間だけが過ぎていく。
こんなふうに捨てられたら、
どんなに幸せだったか。
もう枯れてしまったはずの雫が
ぽつりと、落ちていった
茜色の空を久しぶりに見た。
近づけば、燃え尽きてしまいそうなほど
赤く、眩しかった。
いっそ燃え尽きたいとさえ思えた
この赤を切り取るように
手を伸ばした
この手に溢れる光に熱はなく
指の間から零(こぼ)れ落ちては、
また溢(あふ)れていく
それならと、ポケットの煙草を1本取り出し
空に重ねた
見えるはずのない煙と
染み付いて離れない香り
「燃えねぇな」
くわえ直したタバコに火をつける
(つけようとするが着かない)
「オイル切れか」
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――
#まるくろ。 #煙草 #煙草シリーズ
【お借りした曲】ありがとうございます
丘峰佳聖 社長 様
https://nana-music.com/sounds/00e26e12/
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