【一人声劇】デートに行く君、冥土にゆく私【台本】
読み手:〇〇 台本:右隣 BGM:Natali
【一人声劇】デートに行く君、冥土にゆく私【台本】
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デートに行く君、冥土に逝く私。
声劇、朗読にどうぞ
一人称は読みやすいように変えて下さって結構です。
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向かいのホームにいる君を見て、黄色い線を超えたくなった。
君はこちらに目もくれない。さっきまで隣にいたというのに。
君はこれからあの子と手を繋いで、紫陽花(あじさい)の街を相合傘で歩いて…私の髪を撫ぜた手であの子を抱きしめるのだろう。
私はただ、朝の通勤ラッシュを逆走して帰路につくだけだ。
本当はわかっている。君の目に私が映ることはもう、ない。だからこそ考えてしまうのだ。
"今、目の前で飛び込んだら君はどんな顔をする?"
気づかずに日常になってしまうのだろうか。それとも…
淡い期待を抱いて線路に近づく。
列車の訪れを知らせるアナウンス
携帯に目を落としたままの君
列車の音
朝日に照らされる点字ブロック
飛び出そうとした足が止まった
私は弱冷房車に乗り込み、窓際の席に座る。結局、飛び込む度胸なんて私にはなかった。
彼にメールを送ってみる。発車の合図で列車が揺れた。君が顔を上げる。一瞬、目が合った。
「もう、遅いよ」
遠くなるホームの君に呟いてみても、
言葉も、想いも、通勤快速にかき消されていった。
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初めての声劇台本です。文字量が多くて読みにくい(;´Д`)
読みにくい点などありましたらご自由にアレンジしてください。
素敵なBGMはNataliさんよりお借りいたしました。
#声劇 #朗読 #台本 #一人声劇 #声劇台本
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