むかし、きいたおはなし。
ヒト
むかし、きいたおはなし。
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#声劇台本 #一人声劇
昔、聞いたおはなし。
天使と悪魔の子供がいたの。
天使はみんなに愛されて、
悪魔はみんなに憎まれた。
でも、
二人ともが幸せで
二人ともが不幸だった。
天使は憎まれることを知らなかった。
悪魔は愛されることを知らなかった。
知らないことはとても幸せ。
でも、だからこそ
知っているものの”価値”を知れない。
天使と悪魔は出会った。
でも、
天使は愛することしかできなくて、
悪魔は憎むことしかできなくて。
何度も何度も同じことの繰り返し。
相手の中に、自分には知らない「何か」がある。
憎まれることを知って 悪魔を憎んだ天使
愛されることを知って 天使を愛した悪魔
二人のあいだに
”人間”という子供が生まれた。
天使の憎しみと
悪魔の愛から生まれた”人間”
それは
誰からも愛され、
誰からも憎まれる。
それができる、存在。
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