Lyrics 20世紀という芝居 友部正人
Written by
友部正人
Composition
友部正人
髪を金色にそめた葬儀屋が
あわただしげにロビーをかけまわる
20世紀という芝居が終わりかけている
誰もがあとかたずけをして
次の劇場へと足を向ける
ミステリートレイン ハートブレイクホテル
エルビス・プレスリーの歌で 20世紀が終わる
ぼくは売店でコーヒーを買い
ソファーに腰掛けてずっとほどけていた
ブルースウェードシューズのひもを結びなおす
心を軽くするために詩を書こう
天安門広場から出るバスに乗ろう
マドリッドの町についたなら
フロリダホテルに部屋をとろう
1936年にそこにいたヘミングウェイのように
夜の門をくぐり抜け
枯葉をつんだバスが走り出す
大時計をかついだ男が
夜明けの階段を上がっていくよ
一番上までついたらピストルを撃ち
一日のはじまりを告げるのさ
世界をまたにかけた人たちが
20世紀のロビーに集まっている
過ぎ去った時代がやがて夜になる
とっくに人影が消えたロビーで
ガラスの羊が透明な草を食んでいる
20世紀という芝居が終わりかけている
ロルカはオリーブの木の下の
自分のなきがらのために歌をうた う
20世紀という芝居が終わりかけている
ロルカはオリーブの木の下の
自分のなきがらのためにギターを弾く