Lyrics 刑事 谷村新司
Written by
谷村新司
Composition
谷村新司
徹夜続きの捜査の途中で 生まれた息子が今日旅に出るという
ほとんど会話もないまま暮らした 妻もいつしか年老いたことにさえ気付かず
自分の咳で目覚めた夜の 煙草の匂いが染みついた仮眠室
ツィード の上着を布団がわりに 少し痛む肘に掌をあててみた一人
正義という名前の為に 家族を犠牲にしてきたこの俺が
子供の為に法を犯した 犯人を責められるだろうか
彼の手首に手錠をかけても 心に手錠はかけられない
休みもとらずに働き続けた 古いタイプの刑事と噂された
それを誇りに頑張り通した 仕事より大切なものなどないはずと思ってた
みぞれ混じりの張り込みの中で 犯人の家庭の窓の灯りが何故か
うらやましく見えたその時感じた
このまま刑事でいつづけることなどもうできない
正義という名前の為に 家族を犠牲にしてきたこの俺が
子供の為に法を犯した 犯人を責められるだろうか
彼の手首に手錠をかけても 心に手錠はかけられない
辞表を胸にタクシーに乗った 旅立つ息子の背中が見たくて
みぞれは雪にいつしか変わり 刑事は一人の年老いた父親に変わった