Lyrics 経(ふ)る時 松任谷由実
Written by
松任谷由実
Composition
松任谷由実
窓際では老夫婦が
ふくらみだした蕾をながめてる
薄日の射す枯木立が桜並木であるのを
誰もが忘れていても
何も云わずやがて花は咲き誇り
かなわぬ想いを散らし 季節はゆく
二度と来ない人のことを
ずっと待ってる気がするティールーム
水路に散る桜を見に
さびれたこのホテルまで
真夏の影 深緑に
ペンキの剥げたボートを浸し
秋の夕日細く長く
カラスの群れはぼんやり
スモッグの中に溶ける
どこから来てどこへ行くの
あんなに強く愛した気持も
憎んだことも 今は昔
四月ごとに同じ席は
うす紅の砂時計の底になる
空から経(ふ)る時が見える
さびれたこのホテルから