Lyrics 恋愛症候群 -その発病及び傾向と対策に関する一考察- さだまさし

Written by
さだまさし
Composition
さだまさし
恋と呼ばれる一過性の発情症候群に於ける その発病及び傾向と対策について考える 年齢 性別 職業 ツベルクリン反応 郵便番号の 如何を問わず 凡そ次のとおり 開き直らねば何もできず ただ暗く爪をかみ 目が点になって ため息ばかりの A型 他人のことなど考えられずに 大切な花畑 平気で踏み荒らして ヒンシュクをかう B型 今日と明日では 自分同志で意見が分かれて 熱し易く冷め易い AB型 その内なんとかなるんじゃないかと思っている内に 自分だけ忘れ去られている O型 その他いきなり優しくなったり 急に詩人になるケース 夜中にいなりずしをどうしても喰べたくなる場合 海に向かって ばかやろー と叫ぶなどは よくある事で更に 若いのに髪が薄くなる方もある なにしろこれらがある特定の人にだけ 反応するって事は恋は一種のアレルギーと考えてよい 恋におちたら一部の例外を削除すれば およそ 男は男らしく女は女っぽくなるものらしい 手相 星座 サイコロ タロット 四柱推命 その他茶柱まで 相性占いなど気になったら もう恋 相手には自分の良い所ばかり 見せたくなるものであるし 相手の欠点には気づいても気づかずにいられるし 食べ物 着るもの 見るもの 聴くもの すべて好みが合うと思うし 毎日が二人の記念日になる 処が一年二年とたつうち見えてくるんですよ 恋とは 誤解と錯覚との闘い そのうちなんだかお互い知らない人に思えてきて 次第に疲れて 会っても無口になる 初めは めまい 立ちくらみ 食欲不振で気付いた恋がいつか 注意力散漫 動悸 肩こり 息ぎれに変わり やがて 頭痛 発熱 歯痛 生理痛 すり傷 切り傷 しもやけ あかぎれ 陰金 夜泣き かんむし 田虫 水虫 出痔 いぼ痔 切れ痔 走り痔 えーと えーと... えーとせとら とにかく そんな風に 笑っちまった方が 傷つかずに済むってわかってるんだ 誰だってそうだろう 恋は必ず消えてゆくと 誰もが言うけれど ふた通りの消え方があると思う ひとつは 心が枯れてゆくこと そしてもうひとつは 愛というものに形を変えること 相手に求め続けてゆくものが恋 奪うのが恋 与え続けてゆくものが愛 変わらぬ愛 だから ありったけの思いを あなたに投げ続けられたらそれだけでいい おそらく求め続けてゆくものが恋 奪うのが恋 与え続けてゆくものが愛 変わらぬ愛 だから ありったけの思いを あなたに投げ続けられたらそれだけでいい あなたに出会えて 心からしあわせです
さだまさし
Me singing Me playing