Lyrics 人生は入れ子人形 Sound Horizon
Written by
Revo
Composition
Revo
赤く揺らめく暖炉 家にもあったのに
悲しいけれど 燃やすべき薪がなかった
弟達はいつも機敏に動いてた
腹は減るけど じっとしてたら 凍っちまうから
運命の贈り物 不幸を詰めた 入れ子人形
開けても 開けても 悲しみばかり
白く煌めく 大河 風を切り裂いて
走れ馬車よ 家は遠いか 空駆けろ
妹達もいつも 腹を空かせてた
頑張れ末妹よ 銀のお注射 きっと快くなるさ
人生は贈り物 不条理詰めた入れ子人形
開けても 開けても 苦しみばかり
臥せる少女の治療費で 貧しい家計は燃え上がり
父親は遠くの炭坑で 岩が崩れて下敷きに
登りは険しき坂道も 転がり堕ちるは正に刹那
死せる少女の葬列に 愛した二人の影はなく
母親も娼婦の格好で 無理が崇って旅立てり
どんなに険しき坂道も 転がり堕ちれば正に刹那 刹那
掘っても掘っても砂ばかり どれだけ掘っても脈がない
拝金野郎の妄想さ 無駄な努力と他者は言う
それでも 夫は諦めないわ
掘っては掘っては砂埃 どれだけ掘っても切りがない
成金野郎の道楽さ 馬鹿な男と学者は嗤う
それでも 妻は着いてゆくわ
(眩く)輝く黄金や(世界中に)轟く名声が
(貴方は)欲しい訳じゃない(燃えるような)夢が見たいだけ
運命が望むのは 喜劇か 悲劇か
今もう一度【神話】を 歴史の舞台に立たせたい……
貧しい一家は離れ離れ 私は商家へ丁稚奉公
不細工な顔だと虐められたけど 誰よりも必死に働いた
私(貴方)を支えたのは家族の存在と 母の形見となった一冊の【叙事詩】
――'運命は残酷だ されど彼女を恐れるな
女神が戦わぬ者に微 笑むことなど 決してないのだから'――
人生は贈り物 不条理詰めた入れ子人形
それでも 私(夫)は掘るだろう(でしょう)
そこに穴がある限り……