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貴方の「声」から本格小説を

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Member5
Comment16
こんばんは!laBoと申します😎 タイトルの通り皆さんの声を聞いて短編小説を書かせて頂きます! ※最後までお読み下さい アマチュアながら物書きをやってますが、都度ストーリーに困ることがありまして… そこでどなたかが先駆けでやられていた声で物語を作る、というのが面白そうだなと、二番煎じでやらせていただこうというわけです! 順に概要を決めていきますと、まずジャンルは問いません。以下の中からまずはお選びください。 ・恋愛 ・バトル物 ・シリアス/一人語り ・ミステリー ・ホラー ただし、選ばれた曲によっては流石に思い浮かばない…となった場合は違うジャンルになることもありますのでご了承下さい🙇‍♂️ 次に中身についてですが、 ・文字数は1000〜2000文字とばらつき有り ・登場人数は多くて3人くらい ・台本形式のような形でも有り と、まずはコメント欄に一つの例を挙げておきますのでそちらを参考下さい。こんな雰囲気だよ、こんなレベルの文章だよ、と言う見本になります。 また、物語を描く上での条件ですが、 ・何らかの形で活用してもらう ・原作自体の著作権は基本譲渡しない ・私自身の二次創作などに流用する可能性がある ・応募シートを書く ・応募が増えてきた場合は選別する可能性がある 以上になります。 1つめの項目、「何らかの形」とありますが、これはせっかく時間をかけて作る物語なので、そこから派生して利用して欲しいのです。 例えば絵だったらトプ画にしたりできますよね。今回の作品で言うと一番簡単なのは、そのテーマのまま台本にすること。あとは難しいですが、それをもとに小説を書いてみようかなとか、何かしら派生させて貰えたら嬉しいです。 別にその後の作品を見せてくれ、と言うわけではないので単なるお願いです。考えつかなければ大丈夫なので、まずは気軽に応募下さい。 あとは著作権云々は一応書いてますが、書いた物語は折角ですから、その人のイメージから作られた唯一無二のものになります。もし私自身が凄くハマって、これは良い作品になりそうだ!となれば、そこからラノベや書籍化へ走り出す事もあるかも知れません。 キャラクター原案などがお好きな方はその旨書いて頂ければ、短編を書いた後に本編として10万〜12万字くらいの物語制作にご協力頂くこともあります。 また最後の項目。大変申し訳ないですが、あまりにも人が増えてきた場合は手が足りなくなります。 それで応募自体を無かったことにしたり、途中でやめたりするのは避けたいので、サウンドを聴いて創作意欲がそそられる物を選ばせて頂きます。 長くなりましたがここまでご納得いただける方は以下の応募シートを記入ください。 1.名前 2.性別/年齢(ぼかしあり) 3.サウンド(基本歌、声劇はどうしてもの場合) 4.希望するテーマ 5.キーワードを3つ(※後述) 6.小説の使い道(無ければなしでもok) 7.台本形式を意識するか 8.拡散 以上の通りです。 5のキーワードについてですが、これは曲からの雰囲気にプラスしてどんな雰囲気の物語を描くか、ヒントにするものです。これは何でも構いません! 例えば「銃」「ダーク」「ミステリアスな展開」なんてキーワードを並べて貰えば、それとテーマを軸に物語を作りやすくなります。このキーワードは例のものですね。 その他質問などあれば遠慮なくコメントください! 沢山の応募お待ちしています👏
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    laBo
    皆さん参加ありがとうございます。 順次出来上がり次第返信していきます!お待ちください<(_ _)>
  • おとね ☪·̩͙'s user icon
    1、桜音(おとね) 2、女 18歳 3、Pretender 4、ホラー か シリアス/一人語り書きやすい方でお願いします 5、御伽噺 赤い実 隣 6、私も小説を書くのが好きなのですがいつも系統が片寄ってしまうのでこのお話の設定で書けたらいいなと思っています。 7、しなくて大丈夫です 8、https://nana-music.com/communities/1120465
  • laBo's user icon
    laBo
    > かべん

    細かくありがとうございます! 色々とイメージが膨らんできそうなテーマとお声ですね…是非ぜひ作品の構想のひとつに使って頂ければ幸いです! それでは今暫くお待ちください<(_ _)>

  • laBo's user icon
    laBo
    > かべん

    参加ありがとうございます! サウンドはひとつでもいいですし、このふたつを組みあわせて、とかこのふたつのどちらかの雰囲気を見てください、でもいいです!

  • ヲ斗's user icon
    ヲ斗
    > laBo

    素敵な台本…!!ありがとうございます😭😭 情景が頭に流れてたのですが、縁側から見える赤く染まった景色が見えました…。 この台本ではぜひ赤とんぼを歌おうと思います! ありがとうございます😭

  • 林檎's user icon
    林檎
    > laBo

    ありがとうございます🙇‍♀️自分なりにこの作品を沢山楽しませて頂きます!これからも頑張ってください!

  • laBo's user icon
    laBo
    > 林檎

    いえいえ、お気に召して頂けたら幸いです! 今回は歌の中から少年のような快活さと本家のようなダークなイメージを感じ取りました。 そこから何となく本家というか、作曲側の表現が秀逸だなと感じて、「煮ル果実」さんの視点、というイメージで写身としての林檎さんを主人公としました。 オレンジはブラッドオレンジなど、血の隠喩があります。また、柑橘系には隠された毒性があり、対象によっては劇薬になり得ます。それを武器として模した謎の少年は、紗痲とキルマーの世界観にいたかも知れない第二の主人公です。 原曲の雰囲気だと教会だったり貴族の館のイメージですが、主人公は黒幕を殺してその罪で捕らえられてしまう。という序盤の主人公(ヒロイン)を救おうとする…その結末(紗痲)を知っている作者(煮ル果実さん→ここでは視聴者全員該当するが、代表としての林檎さん)がある種の特殊能力で未来を変えようとする… こんな世界観でした! 切り取って話を展開してるのでキルマーの世界観から外して別のストーリーを組み込む事もできるので是非ご活用下さい! キャラメイクなどが上手くいってこんなストーリーで本格的に作りたい!ということがあればまた別途ご依頼頂ければと思います!

  • laBo's user icon
    laBo
    > ヲ斗

    お待たせしました! 子守唄は赤とんぼ以外でも良いようなイメージにしてあります。一人語り、朗読のような感じにして、台詞自体は二人になっています。改変もご自由にどうぞ。 考察など補足が必要でしたらその旨お知らせ下さい! タイトル:「晩夏」 — 庭の紅葉もすっかり赤みを増した、秋の朝。 まだ夏の匂いが残る九月の終わりに、長袖を着ては汗ばむ今日。 蝉の声は聞こえないけれども、いつも通り母屋には忙しない声が響き渡っています。 「なぁなぁ母ちゃん。今日な、タケシと虫捕りに行くん。」 「虫捕りってアンタ、もう九月よ。何取りに行くつもりさ。」 「わからんけど、タケシが来いって。行ってくる! アカネも連れてくかんね!」 「ヒロシ、ちょっとアンタ。まったくもう。」 言っても聞かない、なんでも楽しい年頃。 母屋の中でかけっこでもしてるかのように、バタバタバタバタ。 アカネの、待ってよにぃに!なんて甲高い声が響いてくると、そろそろです。 忙しない声が止めば家事も終わり、縁側で一息ついて。 ジリジリと残暑が姿を現して、もうお天道様も真上にぽっかり顔を出しているようで。 すっかり冷えてきた毎日だったから、お天道様もここぞとばかりに久々に張り切ってるみたい。 蝉の声は聞こえないけれども、どこからかあの夏の音が聞こえてくるみたい。 なんて微睡んでいたらふと、一匹の赤とんぼが庭木にトン、と止まって。 「アキアカネ、どうしたの。」 思わず、話しかけて。もちろん、アキアカネは答えません。 その場所が居心地よくなったのか、ぴったりその場を動かなくなって。 それに合わせて、静かに、ただぼう、と眺めて。 すると、またうつらうつらしている時、遠くから聞こえるのは奴らの声だ。 ガラガラ。ドンドンドン……バタバタ。 「なぁなぁ母ちゃん、見て見て! トンボ捕まえた!」 「何、アンタまたそんな汚して。」 トンボを捕まえるだけでどうしてこんなに汚れるんだろう、なんて小言はそっちのけ。 誰に教わったか、器用に羽を摘んで捕まえたトンボを自慢げに見せるヒロシ。 あぁすごいね、なんて口に出す前に、ヒロシはテクテク遅れてついてきたアカネにトンボを近づけて見せます。 いやぁなんて悲鳴を上げて半泣きでこちらに逃げてくるアカネ。満足そうにヒロシはトンボを掲げて。 「まだタケシに見せてないから、もっかい行ってくんね!」 言うが早いか、今度はアカネを置いて一人駆け出して。 愚図ってしまったアカネはそのまましがみついて、やがてそのまま疲れて寝てしまいます。 そうしてふと気付いた時には、庭木の赤とんぼは消えていて。 「……そうね、もう秋やもんねぇ。」 アカネのお腹をそっと、テンポよく撫でていく。ふと頭に思い浮かんだのは、あの日の唄。 [子守唄] 「母ちゃん、母ちゃん。」 その声ではじめて、アカネに釣られてうたた寝していたことに気がついて。 「ごめんごめん、寝ちゃってた。ご飯にしようか?」 「うん、お腹すいた!」 ゆっくりと立ち上がる。台所に立てばまたあの唄を思い出して。 口ずさみながら、ふっと我に返って。 「そうだ、アンタ明日は……」 居間を覗き込んで、言いかけて止めました。 ヒロシはアカネの隣に川の字で、見事に疲れ果ててしまったようです。 思わず吹き出して、そのまま火を止めてまた居間へと戻りました。 壁にかけてあるカレンダーの黒い印は、明日。 「……負はれて見たのは、いつの日か。」 口ずさんで、二人の寝顔を眺めて。 日も暮れて、すっかり肌寒くなってきました。 今年ももう赤とんぼをみることはないだろうなぁ。 そんなことを思いながら、またあの唄を歌って。 小さな小さな二人が幸せそうにしている姿を、しみじみ思うのでした。 ——

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    林檎
    > laBo

    ありがとうございます…!滅茶苦茶なキーワードだったにも関わらず素晴らしい作品をありがとうございます🙇‍♀️ 出来れば考察をお訊きしたいです!

  • laBo's user icon
    laBo
    > 林檎

    お待たせしました! 考察などはご希望の場合だけ補足いたします! タイトル:「Fearless fruit」 —— —ねぇ、あの領主館の主は日頃無知な少女を連れ去っては、貴族の食い物にしてるんだって— 「へぇ、許せないねぇ。」 彼は言葉と裏腹に何故か嬉しそうにしながら、夕暮れ時の市場で耳にした言葉に独り言を呟く。 キョロキョロと辺りを見渡せば果物屋を見つけて、これだと言わんばかりに駆け寄って店主に話しかける。 「ねぇ、オレンジを10個もらいたいんだけど。」 「あいよ。どうしたんだい坊ちゃん、母ちゃんのお使いかなんかかい?」 果物屋の主人は言われた通りにオレンジを10個袋に詰めて。 その間何度か彼を見た。無邪気な笑みを携えた、いかにも快活そうな少年に見えたが、何か違和感を覚えて。 「うん? あぁ、オレンジのこと?」 「いいや、深い意味はねぇんだが、一度に10個は多すぎやしないかと思ってな。」 「あぁ、ううん。むしろ……足りないくらいかもしれないけど、多分なんとかなるかなーって。」 「足りない? 一体何に使う気なんだい?」 主人はちょっとした好奇心で聞いた。代金を支払われ嬉しそうにオレンジを抱える少年は、まるでこれから最愛の人に会いにいくかのような笑顔を見せて、言った。 「薄汚い大人達を殺すためさ。」 「え?」 それはどういう、と店主が問いかけようした時にはもう、彼の姿は無かった。 「……まあ、何かの聞き間違えだといいが。」 — 血塗れの少女が横たわっていた。 辺りはパーティー会場とは思えぬほど殺伐として、高級な食器が散乱し、床に溢れたワインのアルコール臭が立ち込めていた。照明も落ちている。 そうしてゆっくりと暗がりの中、少女に歩み寄る男達。 —別にヒーロー気取りじゃないんだけどね— どこからかその声が聞こえると男達は同時に振り向いた。 小銃を構える——も、刹那。銃を構えた男数人が突然眼を剥き、首元を抑え、苦悶の表情で崩れ落ちた。 残る男は3人。隠れていた彼は悠然と、まるで残された会場で一人パーティーを楽しむように。 「僕の予想だとまだパーティーは終わってないはずなのに、どうやら予定が狂っちゃったみたいだね。」 お前は誰だ、何故ここにいる、と怒号が放たれる。残った男達は彼の異様な雰囲気に、まさかこの少年が、超能力のようなもので仲間を倒したのかと、警戒せざるを得なかった。 そうして彼らは、その少年が自分たちを狙っているとして、その理由も正体も分からなかったのだ。 「やだなぁ、そんな目で見ないでよ。汚れちゃう。」 彼はゆっくりと歩き出す。男達はそれを見て半歩後退る。食器の破片が彼らの足元で鈍く鳴る。 そうして彼は不意打ちにとオレンジを一つ、正面の男に投げつけた。 なんだ、こんなもの—そう言って自信ありげにオレンジを避けた男の行く先には、すでに少年が。 そうして、ゆっくりと時間が流れる。否、彼が無駄のない動きで男が体制を崩す間に。 小脇から取り出したペティを使って、瞬間に鋭くカットしたオレンジを、彼の首元目掛けて突き刺した。 「4人目。相変わらず遅いなぁ。ビタミン足りてないんじゃないの?」 そうして男達にとっては時が動き出す頃には、残り2人になっていた。少年は朱色に染まった手のひらを眺めて、残ったオレンジを食む。 血の色を湛えたオレンジを、彼はまるで吸血鬼のように、さも美味しそうに。 気がつけば残った二人はその場を逃げ出して、残されたのは少女。 血とワインとオレンジの匂いが充満する大広間で、彼はゆっくりとその少女に近づいて。 「……これじゃ、まだハッピーエンドじゃないんだよねぇ。」 足元に横たわる少女から、ゆっくりと視点を上げる。 「ベタな展開は、今時流行んないよ。」 その人影を見て彼はまた微笑んだ。純粋にこの時間を楽しんでいるかのように。 -—

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    laBo
    > ヲ斗

    応募ありがとうございます😊 面白そうな試みですね!是非書かせて頂きます!お待ち下さい!

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    laBo
    > 林檎

    応募ありがとうございます😊 是非書かせていただきますのでお待ち下さい!

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    ヲ斗
    参加失礼します! 1.ヲ斗(をと) 2.女・20 3.赤とんぼ 4.一人語り 5.子守唄 睡眠導入 癒し 6.音声作品(歌+劇)を作ろうと計画しています。nanaに投稿するのが目的では無いので、時間の縛りは特にございません🙏 もしよければどこかに子守唄を歌うシーンを入れて頂けたら有難いです。(子守唄は著作権フリーの童謡かオリジナルのものを歌う予定です。) 7.台本形式を意識するか:お願いします🙇‍♂️ 8. https://nana-music.com/communities/1085405 我儘を詰め込んでしまって申し訳ないです🙇‍♂️ laBoさんの可能な範囲で創ってくださったら嬉しいです。 長々と失礼しました。
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    林檎
    1 林檎 2 高校生 3 上に添付しました 4 恋愛 5 「バトル」「個性的な主人公」「ハピエン」 6 個人的に書くのが好きなので、気が向けば広げて書きます。あとはキャラクター原案等が好きなので設定等を細かく考えてみたいです。 7 意識しない 8 https://nana-music.com/communities/1085497
  • laBo's user icon
    laBo
    ちなみにこれは台本形式を意識しなかったパターンです。 元から台本に収めようとすると尺の関係上、ストーリーの奥行きが、狭くなったりします。この原作が出来てから台本に落とし込む方が綺麗にまとまるかなと個人的には思います。
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    laBo
    例:タイトル「銃創」1435字 テーマ:バトル物 キーワード:「ダーク」「銃」「ミステリアスな展開」 --- 「ク、クカカ……ざまぁねぇよなァ……?」 午前三時。荒れた貧民街の大通りを、泥酔しながら千鳥足で歩く人影。 破れたフード、雑多な服装は作業着か、見ようによってはいつかの軍服を思い出させる。みすぼらしい格好は場所相応だったが、纏った空気が違っていた。 塵埃に屑、鼠の死骸。それらは当たり前のように路上に寝そべったまま、招かれざる客の靴音を響かせた。 街灯一つないこの道に、人影はたったひとつ。しかし、その一帯が安寧に、平穏に寝静まっているわけではない。そこに住まう何かが全て、息を潜めてじっと、その客の一挙手一投足を眺めていた。 一つ細道に入ればギロリと多くの眼がそれら”異分子”を害と見做し、即座に警戒する。羨望、殺意、嫉妬、憤怒、懇願、飢餓……様々な感情が渦巻いて、いつ襲われてもおかしくないような空気の中。 その性別もわからぬような風貌の人間は、そこに棲まう”無秩序な秩序”さえ無視して、我こそが秩序だと言わんばかりに毅然と、足を進めていた。 そうしてふと、立ち止まる。 「……お前らだって、わかってんだろォ?」 「この国が、何をしているか。お前らを食い物にして、そんな顔で見た所で何も思わねぇクソみたいな連中がのうのうと幸せに生きてるんだからなぁ!」 その人間はまるで……否、まさしくアルコールに冒された廃人の如く、虚ろな目をしたまま誰かに向かって叫び続けた。依然、人影は独り。 そうしてまた、不意に箍が外れたように笑い始める。高笑いが響き、隠れていた鼠も姿を隠す。不穏な殺気が、空気が張り詰め、強度を増す。 「……殺してみろよ?」 刹那、自らの服を破き、手首の痣を掲げて見せる。 「薬莢の詰まった銃も、火薬を詰めときゃ爆弾になるって知ってるか?」 暗くて見えていなかったその人間の腕は。 —丸ごと、自動小銃になっていた。 ガチャリ。 重々しい、装填音。紛れもなく発砲直前の合図。 「あはは、ははははは!!!」 笑い出す。いつ、誰にその銃が向けられてもおかしくはない。 その人間はおそらく、狂っている。 張り詰めた空気は一瞬、切れたように思えた。 どこからか悲鳴のような息遣いが聞こえる。 それもそのはずだ。銃を隠し持っている人間だっている。 それでも発砲など出来なかった。その人間の常軌を逸した表情に。 その人間の、体に宿した禍々しい痣の意味を知る人間には。 その人間に、銃を向けることなど、出来やしなかった。 そうなることをわかっていたかのように。 やがて風船が萎むようにして、その人間は銃……となった腕をゆっくりと下ろして。 「……なーんてな。火薬だって、湿気ってんだよ。」 その人間は乾いた笑いを残しながら、だらりとぶら下げた腕を痛々しく抱えるように、まるで生まれた直後に死んだ赤ん坊を運ぶように、また道無き道を行く。 ”死に場所を探しているのか?” 誰かがそう呼びかけた気がした。もちろんその人間は答えない。 聞こえなかったのかもしれない。けれど、いずれにせよ他の住人はそれ以上看過しなかった。 その人間が通り過ぎ、平穏なんてものはない貧民街の空気には、ありもしない硝煙の残り香。 それは毎日まともに睡眠すら担保されない住人にとって、これ以上ない刺激で。 あの重々しい銃に救われた人間がどれだけいようとも。 当人は一生、あの”重み”を持ち続けていかなければならないのだろう。 一部始終を見ていた自分は、確信した。そして、鼓舞する。 自身の愚かな決断を。 「……やってやる。」 その瞬間、またあの狂人のような笑い声が聞こえた気がした。 —